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毎日の院長 改め、日々雑感

週末の院長だけではご不満な方、新バージョンを作りました。

狂犬病予防注射(長文!)

学校で狂犬病予防集合注射があった。ご存じのように学校や公民館なんかに犬を集めて注射する、あれである。
昔は人間でも、小学校でのインフルエンザのようにベルトコンベアー式にガキを並べて予防注射していた。最近はみんな病院、医院で接種する形式に変わっている。

そもそも、野外で診療もせずにいきなり予防注射するなんて獣医療をどう考えているんだろう?犬だから良いと獣医師も行政も飼い主も考えているんだろうか?動物病院がない田舎ではそういう注射方式も仕方ないだろうが、堺市なんていわば電柱ごとに動物病院がある。病院で診察してから注射するのが当然だと思う。

獣医師会で、事あるごとに集合注射はやめて個別に病院へ来てもらう形式に換えようと発言してきたが無視されている。これには実は深ーい訳がある。当然、病院で注射すると注射費用はその病院の収入になる。学校での注射はすべてをトータルして参加者みんなで分配する。要するにすべて個別注射になると注射頭数にかなりの差が出て獣医師間に不公平感が出る、と言うことである。いわば一人稼ぎ、抜け駆けは許さん、と言うことか。

狂犬病の予防注射というのは個別に病気を予防する目的はもちろんだが、集団防疫という意味があり、地域の7-8割の犬が免疫をもっていれば万が一狂犬病が上陸しても、爆発的な流行が起こらないとされており、その目的も持っている。堺市の場合、接種率は実際の飼育頭数の5-6割と考えられており集団防疫のレベルには達していない。

人のインフルエンザでは学校での注射がなくなり、すべて個別注射になると接種率が激減して(もちろん、副作用や効果の問題点の報道も関係しているだろうが)地域での集団防疫力が無くなり、昔より流行が多く、お年寄りや赤ん坊の死亡例が多くなっているらしい。

狂犬病は日本では40年以上発生がない。外国で感染した方が帰国後発症したのが最後だと思う。感染するとほぼ必ず死ぬ病気である。中国ではしょっちゅうだし韓国でも近年発生があった。アメリカでもヨーロッパでも毎年発生がある。日本は島国ではあるが検疫体制がむちゃくちゃで、犬や牛などの家畜ではきっちり検疫するのに野生動物に関してはほぼ無条件で入ってくる。諸外国ではそのような野生動物からの感染が多い。さらに北海道では流氷を渡ってキタキツネが上陸する可能性や、ロシア船がペットで飼っている犬を港で(故意か事故がわからないが)放す例が多い。堺でもあちこちの国から船が入ってきており、犬が飼われている例は多い。専門家はみんな、狂犬病は近いうちに上陸するだろうと確信している。

ということで、愛犬家の皆さんは動物病院で予防注射を受けましょうね。
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  1. 2005/04/06(水) 21:10:37|
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