毎日の院長

週末の院長だけではご不満な方、新バージョンを作りました。

ごもっとも

現在整理している古書には昆虫関係が多い。虫には愛好家が多く、専門書や文献を集めるんだけど、残された遺族にとっては蔵書の使い道は無く、博物館に寄贈するんじゃないだろうか。あるいは、しっかりした人はお亡くなりになる前に寄贈されるケースもあるんだと思う。とはいえ、それらの本や文献はすでに博物館にあるのがほとんどで、重複資料として友の会へ回ってくる。これまたしっかりした人は、最初から友の会に下さる人も多い。

でもって、日本で蝶と言えば白水博士で、先生の名前の入った本がいっぱい出てくる。


昭和初期の古い文献を読んでいると、「春日山のルーミスシジミの生態を解明した」という記事が目に入った。
春日山のルーミスシジミというのは、天然記念物に指定されたのに絶滅したというので有名。その話だけ知っていて詳しい事は知らなかったので、これを機にググってみた。と、こんな文章が見つかった。


昆虫保護の問題に想う  九州大学名誉教授  白水 隆

 ルーミスシジミは国の天然記念物として奈良市春日山での採取は禁ぜられているが、数十年前からこの産地では絶滅している。現在、千葉県南部の清澄山一帯は本種の豊産地で、例年多数の蝶蒐集家がおしかけて大量の標本が採取されているが、一向に減少の気配はない。こういう状態を見ると首をかしげざるをえない。乱獲に近い採集が行われている房総半島で全く減少の傾向すらみせないルーミスシジミが、手厚く保護されていた筈の奈良市春日山で簡単に絶滅した理由は何であろうか。台風による森の荒廃とか、殺虫剤の散布が原因だと言う人もあるが、蝶の生存力を考えるといずれも説得力に欠ける。幼虫の食草のイチイガシは健在であるし、採集によることも考えられない。絶滅した産地を天然記念物に指定して採集禁止にし、現在の多産地は放置して乱獲にまかせている。いったい天然記念物の保護はどうなっているのであろうか。奈良市春日山で豊産したルーミスシジミが原因不明で絶滅したように、現在の房総半島の多産地でもそういうことが起こっても少しも不思議ではない。問題は絶滅に至るような個体数変動の要因が全く研究されていないことである。


ふーーん、そういう経緯があったのか。

虫というのは、採卵のために木を切ったり、よほど自然破壊しない限りは絶滅しない。普通の採集じゃ減らないというのが通説。となると、先生がおっしゃるとおり、なんで春日山からいなくなったんでしょうね。

  1. 2017/08/31(木) 21:09:02|
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