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毎日の院長 改め、日々雑感

週末の院長だけではご不満な方、新バージョンを作りました。

妾(めかけ)の子

年をとったんだろうか。息子が大学を卒業する年令になったからだろうか。
大学に入った頃のことが急に頭に浮かんでくる。


私は、酪農学園大学というところを卒業している。
高校生の時は何になりたいとかはあまり真剣に考えなかったが、浪人して初めて獣医師になりたく思った。高校卒業時は獣医科は受験していない。実は、酪農学園大学というのも浪人して初めて知った大学。当時は偏差値という概念があったんだか、無かったんだか知らないが、獣医学科は今では医学部と肩を並べるほど偏差値の高い学科、さらに酪農学園大学自体も獣医科の中でも難しい方の部類に入っているらしい。私の時代はそんなに競争倍率は高くなかったように思うし、酪農学園大学はその中でも入りやすいと言われていた大学だった。

大学に入って最初に言われた言葉。
「君たち、決してゴルフなんかしないように。」
うちの大学は、当時は大動物、すなわち牛の獣医さんに行く人がほとんどだった。教育もほとんど牛ばっかりで、犬猫を見る事なんて皆無だった。付属病院も犬猫の診療はなかったように思う。
ゴルフ場は適度な起伏もあり、牛の放牧にはもってこいの地形。北海道の真っ平らな土地より、牛の健康にはよほど良い。ここで牛を飼えば、どれだけ日本のためになるのか考えよう、ということだった。さらに、大学の前の牧草地を指さして、君たち、あの丘をよく見て下さい、乳が湧いてくるのが見えるでしょう、と言われた。

大学に入って最初に教えられるのは「酪農賛歌」という歌だった。

1.黒土よ 緑なす草 身につけて
 地上を飾る日の本に
 牛追う若人はぐくめよ
 窮乏の底に沈める国興せ
 乳房持つ神 我と共なり

2.はらからよ 手に手をとりて 村守り
弱きを助け 貧しきを
いたわるために 勇み立て
窮乏の底に沈める国興せ
 乳房持つ神 我と共なり

3.み光に めぐみはつきず つまずく日
倒るる時も 見捨てずに
我をはげます神の愛
窮乏の底に沈める国興せ
 乳房持つ神 我と共なり

日本国を救うために獣医となり、牛を通じて国に貢献せよ、てな感じかなあ。キリスト教系の大学でもあって、たしかキリスト教の授業もあったような気がする。

で、卒業する時に言われたことば。
君たちは「妾の子。」他の人以上の努力をし、社会に受け入れてもらうようにがんばりなさい。君たちの先輩は君たちのために北海道で一生懸命仕事をしているのです。君たちも後輩のために、恥ずかしくない仕事をして下さい。

酪農学園大学に獣医学科を作るという話が出た時、日本獣医師会も北海道獣医師会も大反対したそうな。その反対を押し切って文科省を説得し、生まれた獣医学科だそうです。で、望まれて生まれた獣医学科、獣医師ではないので、「妾の子」と言われたそう。普通の生まれ方ではないだけに、よけいにしっかり仕事をしないと社会に受け入れられない、と言われました。

年に何回か、同窓会誌が送られてくる。私の時代は創立当時の木造校舎がいくつも残っていた。会報を見ると、今は「ビル」がいっぱい建っていて、当時の面影は全くありません。卒業して何十年もたっていれば当然かもしれないが、やっぱり当時のことを思うと隔世の感があり、寂しさを禁じ得ない。


うーん、長い割に、関係者以外にはさっぱりわからない話でしたね。
  1. 2008/02/22(金) 22:09:09|
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